「制汗スプレーを何度も使用しているのに、ニオイが消えない… 」「脇汗のシミがひどい。もしかして自分はワキガなの?」
なかなか解決しないその悩み、実は「ワキガ」と「多汗症」を混同して、間違った対策をしていることが原因かもしれません。
ワキガと多汗症は原因となる汗腺が全く違います。ここを見極めずに「とりあえず制汗剤」を塗っていても、根本的な解決には繋がりません。
まずは30秒のセルフチェックで、あなたの傾向を確認してみましょう!(※両方を併発しているケースもあります)
ニオイが気になるのか、汗の量が気になるのか、あるいはその両方か。症状のタイプを整理することが、適切な対処への第一歩です。
ワキガか多汗症かは、いくつかの特徴からある程度の傾向を確認できます。
まずは、チェックリストでご自身の傾向を確認してみましょう。

いくつ当てはまりましたか?
1つのタイプに偏っている方もいれば、両方の項目に当てはまった方もいるかもしれません。
実は、ワキガと多汗症は同時にみられることも珍しくありません。
※このチェックは傾向の目安であり、診断を確定するものではありません。
では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。その鍵となるのが「汗腺の種類」です。
「そもそもワキガって何?」という基礎から知りたい方コチラ
ワキガ(腋臭症)とは?原因・遺伝・セルフチェックから治療法まで網羅解説 →

ヒトには汗を出す「汗腺(かんせん)」が2種類存在し、どちらが活発かによって悩みの種類関係してきます 。
このように、ワキガと多汗症は「原因となる汗腺」が異なります。
では、それぞれどのような仕組みで症状が現れるのでしょうか。

ワキガ特有のニオイは、アポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚表面の常在菌によって分解されることで発生します。分泌直後の汗はほぼ無臭ですが、そこに含まれる脂質やタンパク質が菌の働きで分解される過程で、ニオイのもととなる物質へと変化します。
この「汗の成分」と「菌の働き」が組み合わさることで、ワキガ特有のニオイが生じます。
ワキガのメカニズムを詳しく知りたい方はコチラ
ワキガ(腋臭症)の科学的メカニズム:2つの汗腺の違いとニオイ発生の仕組みを解説 →

多汗症は、中枢神経の調節異常により、体温調節の必要がない場面でもエクリン汗腺が過剰に働き、大量の汗をかく状態をさします2)。そのため、衣服の広範囲な汗ジミなどに悩まされるケースが多く見られます。
エクリン汗腺から出る汗自体はほぼ無臭ですが、皮膚が湿った状態が続くと常在菌が増殖し、汗や皮脂が分解されることで「酸っぱい汗臭さ」が生じることがあります3)。しかし、ワキガ特有のツンとしたニオイとは根本的に異なります。
自分のタイプがわかると、「なぜ今までのケアが効かなかったのか」という理由も見えてきます。ワキガに多汗症の対策をしてもニオイは改善しにくく、逆に多汗症なのに殺菌ばかりしていても汗ジミは解決しません。
ここからは、今日からできるセルフケアと治療の選択肢を紹介します。

繰り返しになりますが、ワキガのニオイは、アポクリン汗腺から分泌される成分が皮膚表面の常在菌によって分解されることで生じます。そのため、菌が増えにくい環境を整えることが対策の基本となります。
例えば、制汗剤を使用して、皮膚表面の水分(エクリン汗腺からの汗)を減らして湿度を下げることで、ニオイの原因となる菌が繁殖しにくい状態を作ることができます。
また、殺菌効果のあるデオドラントを使用して菌の増殖を抑えることで、ニオイを軽減することも可能です。
ただし、ニオイのもととなる成分自体はアポクリン汗腺から分泌され続けるため、より根本的な改善を目指す場合は、医療機関で汗腺にアプローチする治療という選択肢もあります。
ワキガの対策について詳しく知りたい方はコチラ
ワキガ対策の基本:制汗剤とデオドラントの違いと効果的な使い分け →
多汗症は、ニオイよりも「汗の量」が問題となる症状です。ここでは汗の量に着目し、セルフケアから医療による治療までを説明します。
セルフケア:まず始めやすい対策として、汗の出口をふさいで発汗を抑える制汗剤がおすすめです。
また、汗による蒸れやニオイを防ぐためには、
①汗をかいたら濡れタオルやボディシートでこまめに拭き取る
②デオドラントを使用する
③シャワーで汗を洗い流して皮膚を清潔に保つ
といったケアが推奨されます。
治療という選択肢:症状が強い場合は、発汗の神経伝達を抑える治療としてボトックス注射や、保険適用の外用薬・内服薬が選択されることがあります。
もし両方に当てはまる場合、セルフケアだけでニオイと発汗を同時に管理するのが難しいこともあります。セルフケアを工夫しても改善しにくい場合は、医療機関で相談することで、自分に合った対処法が見つかることもあります4)。
ワキガと多汗症は混同されやすいものですが、原因となる汗腺や対策の考え方は異なります。自分の症状のタイプを理解することで、適切なセルフケアや治療の選択肢が見えやすくなります。日常の対策にはデオドラントや制汗剤が役立つ場合がありますが、症状が強い場合は医療機関で相談することも一つの選択肢です。
ワキの悩みをより適切にケアするために、以下の記事も参考にしてください。
ワキガ・多汗症の治療法を詳しく知りたい方はこちら
記事を読んだあとに、6問のセルフチェックで体質傾向を整理できます。